前の年に、詩人の正津勉さんを映画に撮って、若い女性詩人として売り出し中の伊藤比呂美さんをフィルムに撮っておこうと思った。そこで、比呂美さんといろいろ話しているうちに、「毛を抜くのが大好き」というので、聞くと、話の内容が生命感というところに触れてくる。それを話しているところを撮ろうと決めた。彼女は自分の毛を抜くとき、抜く自分と抜かれる自分の両方を自覚して興奮してくるという。皮膚が問題だという。撮影していて、彼女の話が立派な身体論になっているのに驚いた。導入部に、ヒカシュウの曲を借りた。制作1981年。作者、46歳。
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